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遺言書の種類遺言は法律で一定の方式が定められています。この方式に従わない遺言は法的に認められません。 遺言には、一般的に利用される「普通方式」の遺言書と、遭難時や死亡が迫っているなど特別な状況の下で作成される「特別方式」の遺言書があります。
ここでは、一般的に利用される「普通方式遺言」について、見ておきましょう。


「普通方式遺言」は3種類あり、それぞれ「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」と呼ばれます。少し古い資料になりますが、1998年の「公正証書遺言」の作成数は54,973件で年々増加(平成14年度は約65,000件)、これに対し「秘密証書遺言」の作成数は100件、かつ年々「秘密証書遺言」は作成数が減少傾向にあります。
このような事から、ここでは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2つに絞り、見ていくことにしましょう。


2つの遺言の作成方法、特徴は以下のようになっています。

自筆証書遺言 公正証書遺言
遺言の
作成方法
全文自筆で書く
作成した日付を入れる
遺言者が押印をする
遺言者が口述し、公証人が筆記
証人2人以上の立会いが必要
本人・証人・公証人が押印
書く場所 問わない 公証人役場
印鑑 実印または認印 本人 : 実印(印鑑証明書持参)
証人 : 実印または認印  ※実印が望ましい
保管場所 本人が保管場所を決める 原本 : 公証人役場
正本 : 本人
家庭裁判所
の検認
必要 不要
遺言の存在と
秘密の保持
遺言の存在・内容ともに秘密にできる 遺言の存在・内容ともに、証人・公証人には知られる
遺言無効の
可能性
書式違反・内容不明での無効あり ほとんどない
紛失・隠匿、
偽造・変造の
おそれ
ある ない
費用 死後、検認手続き費用 作成手数料が必要    ※別記
長所 ・自分ひとりで簡単に作成可
・作成する場所・時間自由
・費用がほとんどかからない
・遺言の存在・内容を秘密にできる
・安全で確実
・形式不備が起こらない
・原本が公証人役場に保管のため、紛失や偽造がない
・家庭裁判所の検認不要
短所 ・死後、発見されないことがある
・無効になる可能性がかなりある
・(形式不備、内容不明・財産の特定不能  など)
・偽造・紛失・隠匿などのおそれがある
・手続きが必要(証人必要、公証人役場へ出向 く等)
・費用がかかる
・遺言の存在、内容が明らかになってしまう恐れがある


それでは、もう少しそれぞれの遺言について補足して説明しておきたいと思います。

こんな自筆証書遺言は無効!

◎「自筆証書遺言」・・・・・手軽だが無効も多い
 
  • ビデオやカセットテープでの遺言 (花田家の相続で話題になりました)

  • 代筆、ワープロでの作成
    全文遺言者が自筆・手書きで作成しなければいけません。(添え手も避ける)用紙・筆記具・書式は自由です。

  • 夫婦連名での遺言
    おしどり夫婦でも遺言は一人で(共同遺言はできません)

  • 日付記入漏れ・間違い、日付がスタンプ 等 <無効理由 第1位>
    日付は年・月・日まで正確に(○月吉日は無効)
    日付の誤記にも注意(1月参拾弐日、参拾参拾日など)

  • 訂正印がない、訂正方法が違う<無効理由第2位>
    遺言書の訂正、変更の方法は、厳密に方法が定められています。訂正方法が違う、訂正印がないなどの場合、訂正の効力が認められません。日付を塗りつぶして訂正したことで、遺言書が無効とされた裁判例もあります。

    参考〔遺言書訂正の方法〕
    @ 加入なら加入の記号( } )を、削除・訂正なら、原文が読めるように訂正箇所を二重線で消す。
    A 訂正箇所に正しい文字を記入する。(縦書きなら 脇に。横書きは上部に。)
    B 訂正箇所に署名押印に用いた印鑑で押印。
    C 訂正箇所の欄外に「本行○字削除」「本行○字加入」と付記する。
    D 付記した箇所に署名する。

  • 押印がない<無効理由 第3位>
    ※ハンコの重要性が減少しつつある実情から、押印については有効とした裁判例もありますが、紛争を予防するため忘れずに行ってください。また、遺言書が複数枚にわたる場合契印を押すこと、そして遺言書を入れた封筒を封印する際にも、同じ印で封印をしてください。

公正証書遺言・・・・・安心・確実、あとは費用の問題?
公正証書遺言は公証人によって作成され、公文書として保管される、もっとも安全で確実な遺言です。
◎公正証書遺言の作り方

@相続財産のリストアップ。遺言書の原案を考える。

A証人を決定する(2人以上)

B公証人に依頼・打ち合わせ

C証人2人とともに、必要書類を持って公証役場へ行く

D遺言者は遺言内容を口述し、公証人はそれを筆記する。

E公証人が遺言者と証人の前で内容を読み上げる。

F内容を確認後、遺言者・証人・公証人が署名・押印。

G原本は公証役場に保管され、正本が遺言者に交付される。
●公正証書遺言作成に必要なもの
  • 遺言者の実印および印鑑証明書
  • 戸籍謄本または戸籍抄本、住民票
  • 財産目録
  • 不動産登記簿謄本
  • 固定資産税評価証明書
  • その他、公証人から指示されたもの
●証人になれない人
  • 未成年者
  • 推定相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族(祖父母・父母・子・孫)
  • 遺言を作成する公証人の配偶者、4親等内の親族、公証役場の関係者
◎公正証書遺言作成手数料は?

項目 相続財産 手数料
証書の作成手数料
100万円まで
 200万円まで
 500万円まで
1,000万円まで
3,000万円まで
5,000万円まで
  1億円まで
  3億円まで
 10億円まで
 10億円超
5,000円
7,000円
11,000円
17,000円
23,000円
29,000円
43,000円
超過額5,000万円ごとに13,000円を加算
超過額5,000万円ごとに11,000円を加算
超過額5,000万円ごとに8,000円を加算
正本または謄本
1枚につき
250円
遺言手数料
目的の価格が1億円まで
11,000円を加算
遺言の取り消し
11,000円
(証書の作成手数料が
この金額を下回るときには、その金額)
秘密証書遺言
11,000円
役場外執務
日当
2万円 (4時間以内なら1万円)
交通費
実費
病床執務手数料
各執務手数料の1/2を加算
◎相続額1億円を相続人2人で5,000万円ずつ相続する場合。

証書の作成手数料(29,000円×2人)+遺言手数料11,000円=69,000円

(正本または謄本 1ページにつき 250円別途必要。標準的な遺言書で約3,000円かかります。)

◎行政書士、司法書士など専門家に作成、証人立会いを依頼する場合には、別途手数料が必要です。

遺言は死ぬときに「残す」ものではなく、家族の幸せのために「使う」もの・・・・・。

遺言書の作成によって遺言者の意思を伝え、
円満な相続の実現のお手伝いをさせていただきます。
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