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遺言作成のポイント

それでは悪い遺言書を例にして、書き方のポイントを見ておきましょう。

遺言書

私、大阪一朗は、次のとおり遺言する。

1.妻大阪はなこに、次の財産を与える。 ※1
  (1)自宅  ※2
  (2)●▲銀行の定期預金 ※3

2.長男大阪はじめには、次の財産を与える。
  株券とゴルフ会員権  ※4

3.その他のだいたいの  ※5
   財産は、次男大阪二朗のものとする。

右遺言のため、遺言者自らこの証文の全文を書き、日付および氏名を自書し、自ら押印した。

平成○○年○月吉日  ※6
大阪府○○市○○町○番○号
遺言者  大阪一朗   ※7

※1

「与える」
これでは「相続」か「遺贈」かあいまい。
「相続させる」「遺贈する」と記入する。

不動産については「相続させる」と明記することで、相続人に次のメリットがあります。
@単独で不動産の移転登記ができる。
A不動産の賃借権を承継する際、所有者の承諾不要になる。
B農地を承継する際、知事の許可が不要になる。

※2 「自宅」
複数の居宅があった場合、特定できません。
不動産については登記簿どおり正確に記載してください。
また、人名については戸籍謄本どおりに記入するようにしましょう。
※3 「●▲銀行の定期預金」
預金については銀行名だけでなく、支店名・口座種類・口座番号を明記するようにします。ただし残高は変動することが考えられるので書かないほうがよい。
※4 「株券とゴルフ会員権」
特定するため、株券については会社名と株数、ゴルフ会員権はカントリークラブ名等を明確にしておく。
※5 「その他のだいたいの財産」
あいまいな表現は後のトラブルのもとになります。相続させる財産を特定させる。
※6 「吉日」
日にちが特定できない。遺言書無効になる。
※7 押印漏れ

上記にはありませんが、遺言書を書く前に必ず財産目録を作り、財産とその価値を把握した上で、遺言書を作成してください。アバウトな遺言書を作ってしまうと、逆に争いの元になります。
債務についても記入しておくことが大切です。債務金額の債務の分割についても記入しておくほうがよいでしょう。ただし、債務を誰が相続するかという遺言は、債権者に対しては拘束力がありませんので、これについては、相続開始後、債権者の承諾が必要です。
何を誰に相続させるかをはっきりと書き、不動産の共有は極力避けた方が良いでしょう。
特定の相続人の取り分を多くしたりするような場合には、その理由がわかるように、内容・経過を記しておきましょう。
兄弟仲が良くないなど、争いが予想される場合は、祭祀承継者、家の承継者についても指定しておくほうが良いでしょう。花田兄弟の相続争いを思い出していただければよいかと思います。
遺言書に定めがない財産が出てきた場合、誰に相続させるか指定しておけば、記載漏れ財産があったときに、遺産分割協議をせずに済みます。
例:残余の財産は、すべて妻○○に相続させる。
遺言執行者を選任した場合、遺言執行者に金融機関の手続きの権限を与える一文を入れる。
例:遺言執行者に対し、預貯金の名義変更、払い戻し、有価証券の名義変更、売却、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を与える。
◎遺言のリスクを減らすコツ
財産を相続させる相手が、高齢や病気などで遺言者よりも先に亡くなる心配があるときは、その場合代わりに誰に相続させるか決めておく。
作成した遺言書の内容・様式を行政書士・司法書士などの専門家にチェックしてもらう。
文字は丁寧に
新しい遺言書を作ったら、古い遺言書は破棄する。
遺言書の存在を配偶者など信頼できる人に伝えておく、日記に書いておく。
偽造されないよう、数字は漢数字で書く。複数枚になった場合は、契印する。
保管場所、方法を工夫する。

 

こんな遺言書なら書くな! 遺言が争族の原因に?
  • 遺言者の思い入れだけで作った遺言書
    財産の全体像を把握して、きちんと財産の振り分けをせず、遺言者の思い入れだけで作った遺言書は争いの種になります。
    必ず、財産の目録を作成した上で、遺言書を作成することが大切です。

  • マイナスの財産の記載がない遺言書
    遺言書にはプラス面だけではなく、借金や義務、負担等マイナスの面も記入し、相続人に対しマイナスの面の注文もつけておくほうがよいでしょう。

  • 全財産を愛人に与えるといったような社会通念に照らして許されない遺言書
    世間常識から配偶者を無視した遺言は、社会通念上許されません。

  • 遺留分に対する配慮のない遺言書

  • 意味不明な事項がある遺言書

  • 日頃家族などに話していた事と、内容が異なる遺言書
    年齢を重ねてくると、人は時に弱気になります。家族や周りの人の歓心を買うために相続を話の道具に使うのは避けたほうが賢明です。できる限り生前から、誰が何を相続するか相続人全員と話しておき、その中で同意した内容を確認の意味も兼ねて遺言書にしておくのも、考え方のひとつです。

  • 遺族を批判・中傷する遺言書
    「長男は好き勝手な生活をしているので、財産を相続させない」というような、相続人の反発を招きそうな表現は避け、たとえば「次男は常に私の体を気遣い、夫婦そろって私の面倒をよく見てくれたので、感謝として○○を相続させる。」と、プラスの理由付けで記入したほうが争いを避けることに役立つと思われます。

遺言は死ぬときに「残す」ものではなく、家族の幸せのために「使う」もの・・・・・。

遺言書の作成によって遺言者の意思を伝え、
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