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遺産分割協議と協議書作成
G遺産分割協議

この、遺産分割協議が、相続でもっとも重要で、かつ難しい問題です。


誰がどの財産をどのように引き継ぐか、を相続人全員の話し合いで決めます。
相続人の1人でも欠いた遺産分割協議は無効です。相続人の中に、胎児、未成年者、行方不明者がいる、相続人が海外におり帰国が困難などの場合には、遺産分割協議の際には代理人を立てる必要があります。(未成年者、胎児については、親権者も相続人である場合です。)

相続人が未成年者、胎児のときは特別代理人を、相続人が行方不明、海外在住で帰国困難のときは財産管理人を、それぞれ家庭裁判所に選任を申し立てます。

(行方不明者がいる場合には、上記の財産管理人の選任以外に、7年以上行方不明の状態が続いているときは、「失踪宣告」を受けることも出来ます。これもできない場合は家庭裁判所に直接遺産分割の審判を受けることになります。

遺産の分割は、遺言があればそれに従って(指定)分割するのですが、遺言には主だった財産の分割方法だけで、すべての財産についての分割方法が指定されていない場合もあります。また、「長男に○分の○」といったように相続分の指定しかない場合もあります。このような場合は、やはり具体的な財産の分け方については、遺産分割協議が必要になります。

いい加減な内容の遺言書の存在が逆に相続人間の争いのもとになることもあります。

●遺産分割の方法
  遺産には現金だけでなく、宅地や建物等であったりと様々なものがあります。
そこで、遺産分割の4つの方法を組み合わせて、相続人全員が納得できるように分割していくことが重要です。
 
現物分割 換価分割 代償分割 共有分割

財産をそのまま分割する方法
自宅は配偶者、株は長男・・・という分け方。
財産を売却し、金銭にして分割する方法 相続人の1人が財産を取得し、他の人に対価を支払う方法 各相続人の持分を決めて、共有で所有する方法

わかりやすい。
売却等の手間がかからない
公平な遺産分割ができる 事業の引継ぎや農地の相続など、分割しにくい財産に有効。 公平な遺産分割ができる。

きっちりとした公平な分配は困難 売却の手間・コストがかかる。
財産の現物が残らない。
代償できる資力が必要 その資産の売却等が困難になる。
共有は納税のための場合を除き、避けるのが賢明。
●遺産分割をスムーズに進めるために
  • 遺言書で各自の取得財産が指定されている場合は、それに従う。
  • 各人の事情を考慮する
  • 法定相続分をひとつの基準として協議をすすめる。
  • きっちりとした比率の相続分にこだわりすぎない。
  • 相続税を考慮にいれる。
  • 個人の財産の維持や増加に特別の寄与をした相続人には、その寄与に見合う格別の配慮をする。(寄与分
  • 特別受益分も考慮に入れる。
 
H遺産分割協議書の作成

全員の合意により遺産分割協議が成立した時は、「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書は、後日不動産の登記や銀行預金の名義変更をする際にも必要です。また、相続税の配偶者税額軽減の際の添付書類にもなっています。
また、上記のような手続きが必要ない場合でも、後日のトラブルを避けるために遺産分割協議書として、書面にしておく方がよいでしょう。

遺産分割協議書には特に決まった様式はありません。作成にあたり注意するポイントは大きく5点あります。

  1. 相続人がもれなく参加し、相続人全員が名を連ねること。
  2. 誰がどの財産を取得したのかが明確にわかること。
  3. 不動産は登記簿どおりに記述、預貯金は金融機関名・支店・種別・口座番号まで記述する。
  4. 実印を使用し、印鑑証明書添付する。
  5. 相続人が各自1通ずつ持つようにする。
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寄与分とは?寄与分とは、被相続人の生前にその財産の維持、または増加に貢献した相続人に与えられるものです。(法定相続人以外に寄与分はありません
寄与分は遺産分割協議で相続人どうしの話し合いで決めます。どのように決めてもかまいませんが、相続財産から遺贈の額を引いた合計は超えれません。


寄与分が認められる行為は次のようなものです。

  1. 事業に関する労務の提供
  2. 事業に対する財産上の給付
  3. 病気の被相続人の看護     など

相続財産の中から寄与分だけを別枠にし、残った財産を分割し相続することになります。つまり (被相続人の財産)−(寄与分)=(分割される相続財産)です。

寄与分を認めるかどうか、寄与分の価額は相続人の間の話し合いで決めますが、話し合いがつかないときは、寄与者は家庭裁判所に「寄与分を定める審判の申立」をすることが出来ます。

調停で寄与分はどれぐらい認められているのか?
(参考)遺産分割事件のうち認容・調停成立で寄与分の定めの合った事件数
「寄与分の遺産の価格に占める割合別寄与者別データ」全家庭裁判所

 
  寄与分の遺産の価格に占める割合
寄与者
総数
10%以下
20%以下
30%以下
50%以下
50%超
不詳
総数
280
126
54
26
21
7
46
配偶者
35
16
8
5
1
1
4
226
102
43
20
17
5
39
その他
19
8
3
3
3
1
2
(司法統計年鑑=平成14年度)

 

特別受益分上の寄与分は財産の増加に貢献した場合ですが、逆に被相続人から生前、マイホームの購入資金や、結婚資金を出してもらったというようなこともあるかと思います。このような生前贈与や遺贈を「特別受益」と呼びます。


特別受益については、次のようなものがあげられます。

  1. 生計の資本として受けた贈与
    住宅資金、学資 等
  2. 婚姻・養子縁組のために受けた贈与
    持参金、新居、道具類、結納金(額による)、養子に行くときの持参金 等
  3. 特定の相続人が受けた遺贈
    特別受益分は、相続開始時の時価に換算したうえで相続財産に加え、その合計額を基準にして財産分割を行います。

    つまり (被相続人の財産)+(特別受益分)=(みなし相続財産)です。

    (例)Aさんはお父さんから生前に学資として1000万円資金援助されていたとします。
    今回お父さんがなくなり相続となりました。遺産額は5000万円
    相続人は母と姉、Aさんの3人で法定相続割合で相続とします。
    そうすると、分割の対象となる相続財産は

    5000万+1000万=6000万

    これを母・姉・Aさんで分けますから、
    母が3000万円
    姉が1500万円
    Aさん1500万円

    しかし実際にはこのうち1000万円は学資としてすでに受け取っているので、今回Aさんが相続するのは500万円になります。
 
●遺産分割協議がまとまらないとき
  遺産分割がまとまらない場合は、家庭裁判所での調停、審判で遺産分割をすることになります。それでもだめなら訴訟になります。
 
●相続税提出期限までに分割協議がまとまらない場合のデメリット
  1. 配偶者の税額軽減が適用されない。
    「配偶者の税額軽減」という相続税の計算上で最大の恩恵が受けることができません。
  2. 物納予定財産が未分割の場合、物納が許可されない。
    (共有者全員が持分の全部を物納する場合を除く)
  3. 納税猶予の特例の不適用
    納税猶予の対象となる農地等は、相続税の申告期限までに分割されていない場合納税猶予の特例が適用されません。
  4. 小規模宅地等の課税の特例の不適用
    ※ただし、1.4については申告期限後3年以内に分割された場合には、更正の請求を行えば、納付税額の還付(1)、特例の適用(4)を受けることができます。

    このようなデメリットを考えると遺産分割については相続人どうしで妥協点を見出し、話し合いで遺産分割できるようにしたほうがよいでしょう。
 
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遺産分割
I遺産分割

遺産分割協議が無事終了し分割協議書を作成したら、分割協議書に従いそれぞれの財産を取得者の名義に変更します。
名義変更の必要な主な財産は、「主な名義変更手続き一覧」でご確認ください。
名義変更については、手続き先により必要書類が異なる場合がありますので、電話などで確認のうえ、進めてください。

手続きの期限などは決まっていませんが、いつまでも故人名義にしておくのはトラブルのもとになりますので、できるだけ速やかに変更しておきましょう。特に土地、建物などの不動産については、所有権移転の登記(相続登記)が必要です。

登記簿上の所有者でなければ、その不動産の売却、担保の設定などができません。なおかつ相続登記せず放置したまま次の相続が起こったりすると、権利関係の処理が大変面倒になります。また、悪意を持った第三者に勝手に名義を書き換えられるなどの事件も起きています。不動産を取得したらまず登記、を心がけてください。

なお、遺産分割がととのわず、長くその不動産の承継者が決定しない場合は、不動産の権利保全のため、いったん相続人全員の共有名義で登記しておき、遺産分割が済んだら改めて登記しなおす方法をとるのがよいでしょう。

登記には登録免許税がかかります

相続 : 固定資産税評価額の1000分の4
相続人以外への遺贈 : 固定資産税評価額の1000分の20
平成18年3月までそれぞれ半分に軽減)

≫相続税の計算を見る

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